ポーランド企業との協業が加速する中で
1年を経て、2024年4月に出会ったSKILL AND CHILL社との関係が急速に深まっている。先月、東京ビッグサイトで開催されたJapan IT Week 2025 春では、相互のブースを行き来して、共に、製品サービスのPRを実施した。1カ月を空けずに、CEOのルーカス氏が初めてGENZオフィスを訪れた。同社が開発した画期的なITソリューションへの理解を深め、意見を交わした。
言葉の壁を、文化の壁を越えて、IT業界で奮闘する企業人同士、ITソリューションのあり方を、めざす方向性を忌憚なく語り合う有意義な時間を過ごした。
出張で遭遇するgood and bad
ビジネスの話ばかりではない。出張先で訪れた国々で見聞きしたこと、遭遇した出来事。ランチタイムや休憩時間に、自国ではなかなか経験することのない、異国ならではの思い出を共有しあう。
高度IT人材が多数輩出される国として、知られるポーランド。4000万人に満たない人口やGDP世界ランク20位という数値データを見る限り、欧州の経済圏においても、とりわけ目立つ国というわけではない。
国境を隔てて隣接する他国を訪れた際に、ビジネス慣習、文化など言語以外の驚きに遭遇することもあるだろう。
さて、そんな前置きはさておき、今回はパートナーのポーランド企業に因んで、隣国ドイツの思い出をつらつらと綴ってみたいと思う。
ドイツ最大の日本人コミュニティーが形成されるデュッセルドルフに降り立つ
2015年5月。初めて訪れたドイツ。当時勤務していた米国企業が買収した工場がドイツにあった。自動車産業が発展したドイツに相応しく、車載用の機器を中心に製造を行う拠点だ。
ドイツ市場のマーケティング、ドイツの同僚達との関係強化をミッションに、単身ドイツに向かう。
男性社員の場合は特に、「レンタカーを借りて、自分で運転してきてくれ。」と半ば冷たく言い放されることが少なくないと聞いていた。
カーナビが搭載されているとも限らないレンタカーに乗り、日本とは左右逆のレーンを、時速200㎞を優に超えるスピードで運転するドイツ人に混ざって、不慣れな道を工場に向かってひたすら進む。
避けて通れるならば、避けて通りたい道だ。
私の場合は幸いにも、当時のドイツ人上司の奥様のマリーが空港でピックアップしてくれた。
アウディに乗って颯爽と現れた彼女が、女神のように見えた。
アウトバーン、初デビュー
穏やかな運転を期待していた。
しかし、アウトバーンに乗るや否や、急速に加速して左レーンに切り込むマリー。速度計は一気に時速200㎞を表示した。
「大丈夫?」にっこり微笑んで、助手席の私に顔を向けてマリーは続ける。「友人からはよく、クレイジーだって言われるの。」まるで、私の反応を楽しんでいるかのようだ。私はウィットで返すことにした。
「私ね、1つだけドイツ語を覚えてきたんだ。『Fahren nicht so schnell !』」
‘ファーレン ニヒト ゾー シュネル’ と発音する。’そんなにスピードを出さないでください’、という意味だ。
彼女はカラカラと朗らかに笑った。
「早速役に立ったでしょう?」私は続けた。「でも大丈夫。アウディとマリーを信頼しているから。」
私達はあっという間に打ち解けた。
ドイツ人セールスエンジニアと客先訪問
翌日から、ドイツ拠点でのミーティングの合間に、顧客との打合せに同行することになった。
中でも、サイモンとは多くの顧客を訪問した。
扱う製品が産業分野向けの機器であったことから、打合せの多くは客先の製造拠点で行われた。
拠点のほとんどは郊外に点在するため、セールスエンジニアは車で移動するのが通例だ。
ある日の午前中、私達は連れ立って顧客の1社を訪問した。
午前中の早い時間であったためか、5,6台のスペースが確保された来客用駐車場には私達以外の車両は見当たらない。サイモンは迷うことなく、両側に十分なスペースが確保された真ん中のレーンに車を停めた。
トラブル発生⁈
「オーマイガット!」
打合せを終えて駐車場に戻ったサイモンは、顔を引きつらせて立ち尽くす。
彼の視線の先を追った私は即座に事情を呑み込んだ。
私達の車両の両側に、別の車両がピッタリと駐車してある。
都心の駐車スペースで散見される場面を思い出してほしい。
隣の車にぶつけない様に細心の注意を払って細くドアを開け、体を斜めにして、そろりそろりと横歩きで運転席に滑り込む。そんな慎重な動作が求められる場面だ。
サイモンにとっての不幸は2つあった。
1つは、会社支給の車両がスライド式のドアでなかったこと。
そしてもう1つ。
朝っぱらからジャムのたっぷり載ったタルトケーキをぺろりと平らげる彼の体形では、いくら体を横向きにしたところで、その狭い隙間を通り抜けることは物理的に不可能であるということ。
だが、幸運なことに、彼は一人ではなかった。
結局、私が運転席に滑り込み、車を少し前進させたことで、サイモンは無事に運転席に収まった。
異国でしか体験できない貴重な経験がある。
8000㎞を超える日本を、片道14時間に及ぶフライトを経て訪問してくれたポーランドのパートナー。
ビジネスでの成功はもちろんのこと、食事を、街並みを、雰囲気を同様に楽しんでほしい、と思う。
2025年5月の設立から10年目を迎えた当社。
250名の従業員の中には、ブリッジエンジニアが意外に多く在籍している。
バイリンガルはもとより、3ヶ国語以上の言語を操る社員も少なくない。
今回は、グローバルをテーマとしたブログ配信に因んで、種々のスキルセットと経験を兼ね備えた
多彩なチーム、品質コンサルティング部門を紹介しようと思う。
(↓詳細は以下のページを参照下さい↓)
品質管理コンサルティング サービス-株式会社GENZ – [GENZ, Inc.]
インターネットテクノロジーの発展と普及により、ますますグローバル化が加速する昨今、世界は確実に
狭くなっている。
ビジネスの世界においても例外なく、AI技術や翻訳ソフトの進化によって言葉の壁は低くなり、国境を
超えた協業が加速している。
殊に、オンライン上の協業が主流のIT業界においては、オンサイトでの共同作業が必須となる製造業
などとの比較において、各段に多国間プロジェクトが発生する確率が高まる。
日本に拠点を構える企業であっても、グローバル化を完全に避けて通ることは不可能だといえる。
今後一層拡大するであろう、サイバー空間を介したグローバルな協業。
ソフトウエアの第三者検証、ITコンサルティングを通じて、当社が果たす社会貢献の機会が、
重要性がますます増えることを願って、今後も研鑽に努めたい。
※注記:投稿者の回顧録に登場する人物の人名は、仮名としています。