はじめに
ソフトウェアテストの現場では、DBの中身を確認したり、テストデータを準備するためにDBを編集したりする場面は少なくありません。
しかし、こんな不安を感じていませんか?
「もし間違ったSQLを打って、データを壊してしまったらどうしよう」
「他人に迷惑がかかるかもしれないから、下手に触るのが怖い」
その気持ち、すごくよく分かります。
実際、SQLは一歩間違えるとデータの削除や破壊につながる強力な言語です。
でも安心してください。
この記事で紹介するsqlite3は、そんな不安を払拭してくれる安全に学べる環境なんです。
第1章:sqlite3とは?
sqlite3は、以下のような特徴を持つ計量データベースです。
● インストール不要で、1つの実行ファイルで使える
● ローカルで完結するので、誤操作をしても他人の作業やデータに影響を与えない
● DBの中身は1つのファイル(例:test.db)に保存されるため、バックアップや復元がとても簡単(ファイルをコピーするだけ)
● もし操作を誤ってデータが壊れても、そのファイルを削除して再作成すればすぐ元に戻せる
つまり、Excelファイルを開いて編集する感覚で使えるデータベースと言っても過言ではありません。
SQL初心者が「とりあえずやってみる」には最適なツールです。
第2章:Windowsへのインストール手順
1. sqlite3の公式サイトにアクセス
https://www.sqlite.org/download.html
2. サイト中央あたりの「Precompiled Binaries for Windows」の「sqlite-tools-win-x64-xxxxxxx.zip」をダウンロードして解凍する
3. 解凍したフォルダ内の「sqlite3.exe」を任意のフォルダに移動する(ここではC:¥sqlite3)
4. コマンドプロンプトで実行確認
C:\sqlite3>sqlite3 -version
上記コマンドを入力し、バージョンが表示されたらsqlite3のインストールは完了!🎉
第3章:データベースとテーブルの作成
1. データベースファイルの作成
コマンドプロンプトで「sqlite3 データベース名(ここではtest.db)」と入力するとsql操作待ちの状態(sqlite>)になります。
C:\sqlite3>sqlite3 test.db
SQLite version 3.50.4 2025-07-30 19:33:53
Enter ".help" for usage hints.
sqlite>
2. テーブルの作成
以下のコマンドで、以下の列を持つ「users」というテーブルを作成します。
● id
● name
● email
sqlite> create table users (id integer primary key, name text, email text);
また、このように分かりやすいように改行を入れて書くこともできます。
コマンドの終わりが分かるように最後に「;」を付けます。
sqlite> create table tasks (
(x1...> id integer primary key,
(x1...> name text,
(x1...> detail text
(x1...> );
それと同時にsqlite3が格納されているフォルダに「test.db」ファイルが作成されます。
第4章:基本的なSQL操作
レコード挿入
sqlite> insert into users (name, email) values ('GENZ 太郎', 'genz@example.com');
sqlite> insert into users (name, email) values ('GENZ 花子', 'genz2@example.com');
データの確認
sqlite> select * from users;
1|GENZ 太郎|genz@example.com
2|GENZ 花子|genz2@example.com
条件指定
sqlite> select * from users where name = 'GENZ 花子';
2|GENZ 花子|genz2@example.com
データの更新
sqlite> update users set email = 'genz10@example.com' where name = 'GENZ 太郎';
データの削除
sqlite> delete from users where name = 'GENZ 花子';
第5章:sqlite3の終了方法
終了
sqlite> .quit もしくは .exit
C:\sqlite3>
おわりに
この記事では、SQLを知らないQAエンジニアが、sqlite3を使って一通りのSQL操作ができるようになることを目指して解説しました。
sqliteならローカル環境で気軽に試せるので、「壊してもいい」「やり直せばいい」という気持ちで、安心して練習できます。
まずはこの記事を参考に、実際にコマンドを打ってみてください。
そして、少しずつSQLに慣れていきましょう。
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