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エディタをVS CodeからAntigravityに切り替えたら快適だった話

Google Antigravity

GENZマーケティンググループの飯塚です。

最近、開発環境を見直す中で、エディタを VS Code → Antigravity に切り替えました。
単なるエディタ変更というより、「AIを前提にした開発環境」に移行したという感覚に近いです。


なぜAntigravityにしたのか

Antigravityを選ぶ理由

Antigravityを選択した最大の理由として、AI駆動開発(AI-Driven Development)を前提に設計された専用エディタを試してみたかったという点があります。

現在主流となっている統合開発環境(IDE)であるVS Codeにおいても、もちろんプラグインを導入することで、GitHub CopilotやChatGPTのような強力なAI機能を利用することは可能です。しかし、これらの機能はあくまで既存のエディタ環境に「後付け」された補助的なツールという位置づけになりがちです。

一方でAntigravityは、開発プロセス全体においてAIが中心的な役割を果たすことを想定してゼロから設計されており、より効率的にAI駆動開発ができるのではという期待がありました。


導入方法について

導入は以下の記事を参考にしました。
https://note.com/dify_base/n/ne713f9026b2f

導入方法はネットで検索すると詳しく載っている記事が出てきますので、ここでは詳細を割愛します。Antigravityの開発画面はこんな感じです。
Antigravity開発画面

操作感はVS Codeとほぼ同じですが、コーディング中のサジェスト機能はAntigravityの方が優秀だと感じました。ちなみにAGQという拡張機能を入れると、各モデルの使用可能量がざっくり把握できて便利です。
拡張機能AGQ


開発モデル

いくつかのAIモデルを試しましたが、最終的に Claude Sonnet 4.5 / (Thinking) を採用しました。

理由は以下です。

  • コードの品質が安定している
  • 設計の粒度がちょうどいい
  • 過剰に複雑な構成になりにくい

ただ優秀なモデルは、すぐに無料で使えるトークンの上限に達してしまうため、簡単な修正などは下位モデルに切り替えるなど、適時調整しながら使用ました。


実際に作ってみたもの

試しに以下を作ってみました。

「IT健保の「健保の宿」の空き状況を一覧で取得するツール」

空き状況確認画面

空き状況確認画面

このサイト、施設ごとにタブを切り替えて空き状況を確認しないといけないので、まとめて空き確認したい時に地味に面倒なんですよね。なので、その手間を解消し、空いている施設と日時だけをCSVで出力するニッチなツールの作成を指示して、ちゃんと動くものができるか検証してみます。


開発プロセス

今回の流れはこんな感じです。

  1. スクレイピング対象のURLを渡す
  2. ページ構造を分析させる
  3. 「空き状況を一覧化したい」と要件を伝える
  4. 開発用プロンプトを生成させる
  5. 人間側で微調整
  6. 実装を実行

ポイントはここです👇
仕様書を日本語で出力するように指示しておく」
これを入れるだけで、成果物レビューの難易度が一気に下がります。
Geminiで以下の指示を出すと、このようなプロンプトを作成してくれました。

プロンプト作成指示内容

Google Antigravityでスクレーピングツールを開発します。
AIに開発指示をするのためのプロンプトを出力してください。
以下概要です。
・IT健保保養所空き状況一覧出力ツール
・IT健保の保養所空き状況ページから、全てのタブ、カレンダーを確認
・空き状況(施設名・日付・空き状況)を出力
・出力は空いている日のみ
・空き状況をCSV出力
・システムの説明書を日本語で出力
・空き状況確認のURL:[ここにURLを入力]

出力結果

Antigravity用 開発指示プロンプト
依頼内容:IT健保保養所空き状況スクレーピングツールの開発

【目的】
IT健保(ITS)の保養所空き状況ページから最新の空室情報を自動取得し、人間が予約判断をしやすいCSVデータを作成してください。

【対象URL】
[ここにURLが入ります]

【技術要件】
ブラウザ自動操作: - PlaywrightまたはSeleniumを使用し、実際にブラウザを開いて解析すること。
ページ内にあるすべてのタブ(施設カテゴリ)を順次クリックし、表示されるすべてのカレンダーを走査してください。
データ抽出条件:
抽出項目:施設名、日付、空き状況(残室数や記号)
「空き」がある日程のみを抽出対象とし、満室のデータは除外してください。
アウトプット:
抽出結果を its_vacancy_list.csv として保存する機能。
文字コードはExcelで開くことを想定し utf-8-sig とすること。

【実行・検証の指示】
コード作成後、直ちに実行して動作確認を行ってください。
サイトの構造上、セッションタイムアウトやタブの切り替え待ちが発生しやすいため、適切な待機処理(Wait)を実装してください。
実行時にエラーが出た場合は、ログを確認し自律的にコードを修正してください。

【ドキュメント作成】
開発完了後、以下の内容を含む 「システムの説明書(README.md)」 を日本語で作成してください。
ツールの概要
使用したライブラリと実行環境
スクレーピングのロジック(タブ切り替えやデータ抽出の仕組み)
生成されるCSVのフォーマット説明
注意事項(サイト仕様変更時の対応方針など)

実行結果(約30分)

Geminiで作成したプロンプトをAntigravityに与えて、出力されたシステム構成はこれ。

システム構成

システム構成(概要)

node_modules:依存ライブラリ一式を格納している
┗ playwright:ブラウザ操作(クリック・遷移・取得)を行うライブラリ
┗ playwright-core:Playwrightのコア機能を提供する内部モジュール
output:スクレイピング結果(CSV)を保存するディレクトリ
package.json:使用ライブラリや実行コマンドを定義している
package-lock.json:依存ライブラリのバージョンを固定している
README.md:セットアップ手順や仕様をまとめたドキュメント
scraper.js:スクレイピング処理(取得・解析・CSV出力)を実装しているメインファイル

途中、ページ送りがうまくいかず、スクレイピング処理が止まることがあったものの、AIが自律的にデバッグを行い、バグ発見から修正、テストまで一貫して行ってくれました。
人間は時々AIが聞いてくる「これでいいですか?」の確認に対して「OK」ボタンを押すだけ。

コーディング
テスト
修正
ローンチ
仕様書作成

ここまで含めて、約30分で完了したことに驚きでした。
以下では、AIが生成した仕様書や出力結果の一部を抜粋して紹介します。


AIが生成した仕様書

以下が実際に生成された仕様書の一部を抜粋してご紹介します。

ツール概要

IT健保の保養施設(31施設)の空き状況を自動取得し、CSVとして出力するツール。

処理の流れ

  • ブラウザを自動起動
  • 空き状況カレンダーにアクセス
  • 全31施設を順番に巡回
  • 月送りしながら空きを取得(最大3ヶ月)
  • ○(空きあり) / △(残りわずか)を検出
  • CSVとして保存

出力仕様

列名 内容
施設名 宿泊施設名
宿泊タイプ 一泊・二泊など
年月 表示中の年月
空き日
空き状況 ○ / △

実際のCSV出力

実際に出力されたCSVの一部はこちらです。(施設名はダミー)

施設名,宿泊タイプ,年月,日,空き状況
〇〇ホテル,,2026年02月,16,○
〇〇ホテル,,2026年02月,17,○
〇〇旅館,,2026年02月,24,△

※タイムスタンプ付きでファイルが自動生成されます


開発環境を切り替えて感じたこと

  • ツールを行き来するストレスがなくなった
  • AIと一体で開発できるのが想像以上に快適
  • コード修正もかなり楽になった
  • 開発環境で効率は大きく変わる

実業務でこのようなツールをスクラッチで開発する機会は多くありませんが、ちょっとした業務であれば十分に自動化できるため、活用の幅は広いと感じました。
これまでのコーディングは、ChatGPTとVS Codeを行き来しながら進めていましたが、ツールを切り替える手間があり、効率的とは言えませんでした。
その点、AntigravityはAIエージェントが最初から組み込まれているため、コンテキストを維持したまま開発を進められ、この煩わしさが解消されます。
また、サジェスト機能も充実しており、細かな修正やリファクタリングの負担も軽減されると感じています。
今後も新しいツールは次々と登場すると思いますが、重要なのはそれらを適切に取り入れ、自分の開発スタイルに組み込めるかどうかだと思います。
今回のケースでは、Antigravityへの切り替えは十分に価値のある選択でした。

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